囲碁上達講座~棋力の全体図~
- 悟 小林
- 2020年4月9日
- 読了時間: 4分
今回は、囲碁上達講座~棋力の全体図~と題しまして、囲碁上達の全体図を把握していただこうと思います。
囲碁の強さは主に次の三つからなります。
大局観(石の強弱、形勢判断)
読み(手筋、死活、頭の中の碁盤の精度)
ヨセ、計算(ヨセの大小、ヨセの手筋、計算方法の習得など)
これらをバランスよく鍛えることが重要です。
ですが、自分の得意な分野、楽しい分野に絞って特化して鍛えても良いでしょう。
まず、大局観から詳しく説明して行きます。
大局観は盤面をトータルで見て、判断する力です。
大局観を向上させるには、まずは石の強弱をマスターする必要があります。石の強弱とは、どの石が弱くて、どの石が強いかを判断する力です。
石の強弱の判断ができなければ、囲碁は戦略の組み立てができないので、囲碁において石の強弱はとても重要な技術です。
石の強弱がしっかりできるようになって来ると、大局的な形勢判断ができるようになって来ます。
AIはこの部分が人間より遥かに優れているため、その他の能力は低くても人間を圧倒しました。正しい形勢判断が下せれば、囲碁において最強です。
人間では、序盤での正確な形勢判断は無理ですが、ある程度の形勢判断の精度を出せるようになるだけで相当強くなります。
大局観は最終的にはこの手を打つとどの程度形勢が良くなるのかを把握するために鍛えるものです。それを意識するだけでもかなり違ってくるでしょう。
序盤中盤でどちらがどの程度形勢がいいかを短い時間で正確に判断できるだけで、人間の中では最強になるのです。それくらい囲碁は難解で、判断の難しいゲームなのです。
一番悲しいのが、自分は良いと思って打っているのに、実は形勢を悪化させている手や考え方がアマチュアでは非常に多くあるということです。この状態では、上達は望めず、むしろ打てば打つほど泥沼にハマっていくことになります。
対局の中で自然に身についてしまった悪習慣ですね。こういったものは、自分で気づくのはほぼ不可能なので、誰かに教えてもらうしかありません。
次に読みの説明です。
読みには、知識的な部分と、技術的な部分があります。
知識的な部分としては、手筋を豊富に知っているということや、基本死活に精通していることなどがあげられます。
知識的に把握していて、それを実践に応用できるだけで解決する場面は多くあります。アマチュア同士の対局では、一撃で相手を倒してしまえる場面が多くあります。知っているだけで勝てるので、(知らないだけで負けてしまうということでもあります)非常に重要です。
よく出てくる手筋や基本死活は、数はそこまで多くないので早いとこ習得してしまいましょう。
技術的な部分としては、頭の中の碁盤の精度があげられます。
これも非常に重要です。
頭の中の碁盤が不正確では、頑張って考えても、それ自体が不正確な妄想で終わってしまいます。勝手読みと言われるものですね。
知識的に手筋を知っていても、頭の中の碁盤が不正確では上手く手筋を使うことができません。意識的に普段から鍛えるようにしましょう。
鍛え方は、頭の中に碁盤を思い浮かべて、石を置いていくことです。まずは頭の中の2×2の盤に交互に石を置いてみるだけでも良いでしょう。
2×2を正確に思い浮かべることができるようになったら、3×3の盤にしてみましょう。この時点で普通の人にはかなり難しくなって来ると思います。
この思い浮かべる作業を空いた時間に地道にこなすことで、頭の中の碁盤の精度が上がっていきます。
自信がついてきたら、詰碁を丸ごと記憶し、何も見ずに頭の中でそれを解いてみましょう。これができるようになると、読みの力はぐんぐん向上します。
最後はヨセについての説明です。
ヨセはまずは、大きなところから順番に打つ、ということを念頭におくことが重要です。相手の打つところについて回っていてはヨセは全く上達しません。
後は、どのヨセがどの程度の大きさかを把握して行くと、どんどんヨセが上達します。ヨセに関しては、この二つがしっかりできていればまずは十分でしょう。
最終的な着地点としては、頭の中の碁盤で正確な図を描き、比較し、形勢の良くなる手や進行を選んでいくことができれば、アマチュアの中では相当強い部類に入ることができます。
そこまでたどり着くのは相当に過酷な道なので、ほとんどの人は次のレベルを目指しましょう。
石の強弱を把握し、方向性として正しい考え方ができるようになる
これができるだけで打てば打つほど形勢を悪化させることが無くなり、自分の判断で良い方向に局面を進めることができるようになります。
ごく狭い範囲でよいので、正確な碁盤を頭の中に描けるようになり、身に着けた知識を正しく使えるようになる
ヨセの大小をある程度把握し、その順番で打って行く
まずはこのレベルを目指しましょう。
これらがまずまずできるようになれば初段相当の実力です。しっかりこれらができ、自分の長所を磨いていけば高段者への道が開けてきますよ。
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